有機肥料の種類

有機肥料(オーガニック肥料)の種類

有機肥料
有機肥料(筆者のブログ「おうちで鉢植え果樹栽培」より)

有機栽培をするには農薬はもちろんのこと肥料も有機(オーガニック)でなければいけません。このページではどんな種類の有機肥料があるのか筆者の無農薬栽培の経験を交えて説明したいと思います。

油粕(発酵油粕)N:P:K=5:2:1

菜種油の原料となる菜の花の種を絞った残り粕の肥料です。油粕の歴史は少なくとも江戸時代まで遡ります。現在は輸入物のキャノーラ種の油粕が主な原料です。有機栽培には搾油に化学物質が使われていない油粕を使用します。筆者の地元では油粕20kgで2,500円程度はするので決して安くはありません。

鶏糞(発酵鶏糞)N:P:K=3:5:2:20

ニワトリの糞です。生のニワトリの糞は緑色をしており極めて匂いますので通常は肥料としてそのまま用いません。時間をかけて発酵した鶏糞を農業に使います。発酵鶏糞もニワトリの糞がそのまま発酵した形状の塊状の臭いもの(コメリの発酵鶏糞)から、サラサラで香ばしい発酵鶏糞まで品質はさまざまです。石灰分が豊富に含まれています。筆者の地元では特売で発酵鶏糞は20kgで特売の日に98円+消費税です。

牛糞(発酵牛糞堆肥)N:P:K=1:1:1

牛糞は牛が牧草を食べた糞を発酵したものです。肥料としての効果よりも堆肥であるという人もいますが、筆者の見解では窒素分が多いように思い野菜が大きくなりすぎて困り扱いが難しい肥料で芋が肥大しやすい特徴があります。筆者の地元では発酵牛糞は40Lで500円程度です。

魚粉(魚粕)

窒素とリン酸分が豊富な魚の粕です。しかしながら放射能やマイクロプラスチック、重金属や人の糞尿に含まれる抗うつ剤などの化学物質により海洋汚染が進んでいますので魚粉の使用が安全であるという保証はありません。汚染さえなければ良質な有機肥料なのですが・・・。

豚糞(発酵豚糞)

豚の糞を発酵させた肥料です。かなり匂います。筆者は豚糞はその臭いや豚肉が人間に近い組成であることの衛生面を理由に豚糞の使用は敬遠しています。

米ぬか

玄米を精米した時に出る粕で栄養豊富な肥料です。米づくりをしている場合を除いて使用する理由はほとんどありません。筆者は米ぬかを肥料として使用しています。家庭菜園では落ち葉や生ごみを発酵させ肥料を作る際に用います。

骨粉 P=18

加熱済みの骨を砕いたリン酸肥料です。たいていは牛の骨が骨粉(こっぷん)として用いられます。

バットグアノ P=22

フィリピンなどの洞くつに堆積した蝙蝠の糞です。リン酸分が高いです。

牡蠣殻石灰

主に広島県の牡蠣の殻を粉砕した肥料です。アルカリ分が多く土壌を中和し植物にミネラル(微量要素)を与えるために用います。

配合済み有機肥料

適切な形に混合された有機肥料です。コスト面で単品の有機肥料を使うには無理があるので筆者もよく使用しています。お気に入りの有機肥料は鳥取県の境で製造された有機ペレットで20kgで1300円程度です。しかし残念ながら原料の原産地が不明ですので肥料の出どころに不安が残ります。

バイオダルマ N:P:K=2.5:5:4

タキイのバイオダルマという商品で土壌に有益菌を植えつけることを目的として作られた肥料です。原料となる畜糞も抗生物質を使っていませんので、高価な発酵畜糞であると私は認識しています。

避けたい肥料

肥料の中には有機栽培に適さない肥料があります。そのひとつに「ヨウリン」が挙げられます。ヨウリンは有機肥料ではなく化学肥料で重金属が含まれ土壌への残留が問題となっています。「汚泥」という下水道の人糞など家庭やオフィス・工場などから流された汚物(当然薬品も流され病気の人の微生物や薬の成分も含まれている)の肥料も何が入っているのかわかりませんので使用は避けたほうがよいでしょう。